つらいときこそ前を向こう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「どんなに優秀な経営者でも、
長く経営をやっていると、
厳しい時代の一つや二つはある。
何をしたらよいか分からず、
途方に暮れるとき、
何をやっても手応えがなく、
徒労感だけが残るとき、
そんなときの一つや二つは
やってくる。
それでも経営者は前を向いて
いないといけない。
胸を張って、上を向いて
歩いて行かないといけない。
人は下を向いている人から
商品など買いたくないものだ。
人は元気のない人にはついて
いきたくないものだ。
社会はそういう人に何かを
任せたくないものだ。
だから、経営者はまず
上を向くこと。
どんなにつらいときでも、
我慢して上を向いていること。
それは経営者の『大切な仕事』
だ。」

 

(浜口隆則 経営コンサルタント)

 

勝海舟の「氷川清話」には、
こんな逸話が出てきます。

勝がなじみの料理屋「青柳」に行くと、
店の者が忙しく立ち働いていて、
なかなかに盛況で儲かっている様子です。

店の者にそのことを伝えると、
店の奥から出てきた女将がそっと勝に
内情を打ち明けます。

「実際のところ、店には蓄えが
一文もなく経営は火の車なのです。
しかし、どんなに経営が苦しくても、
それをお客様や店の者に見せては
いけません。
ただ為すべきことを為してじっと
辛抱しておると、
世の中とは不思議なもので、
いつしかお金の流れも持ち直す
ものでございます。」

人情の機微に通じた女将の言葉に
勝はひどく感心し、財布から三十両を取り出して
ぽんと女将に渡します。

その後、しばらくして「青柳」に立ち寄ると、
打って変わって景気を持ち直し好景気の様子です。

女将が「お陰様で景気も大いに回復し、
三、四百両も利益を得ました。
こちらはお返しします。」と、

先の三十両を返却しようとします。

勝はその金を突き戻して、
「この金はお前にやる。
実のところ、女将の言葉でおれ自身が
大変勉強になったのだ。
お前は胸の中に孫呉の奥義をそらんじ、
人間窮達の大哲理を了解している。
この金は結構な学問をさせてもらった
勉強代として進上するから、取っておけ。」
と伝えると、そのまま店を後にしたのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す