
「やってしまったことの後悔は、
日々小さくなる。
でも、やらなかったことの後悔は、
日々大きくなる。」
(林真理子 小説家)
「旅の恥はかき捨て」などと言いますが、
これは「人生という旅」においても、
そのまま当てはまります。
あなたが大きな失敗をして、「顔から火が出る」ような
思いをしたとしても、
月日が経てば周りはすっかり忘れてしまうものです。
まして、赤の他人があなたの「恥部」を
いつまでも記憶しているほど暇ではありません。
「やったことの後悔」は、いつしか忘却の彼方へと
消滅してしまう定めなのです。
しかし、「やらなかったことの後悔」は、
あなたをいつまでも苛(さいな)みます。
「どうして、あのとき何も言えなかったのか」
「なぜ、あのとき尻込みしてしまったのか」
そんな思いが、いつまでもあなたの胸の奥底でくすぶり続けます。
そして、「5年後」や「10年後」、
忘れかけた頃にふいと顔を覗かせては、
あなたの心を執拗(しつよう)にもてあそぶのです。
「やってしまったこと」で他人から嗤(わら)われるか、
「やらなかった後悔」で自分を責めるか。
どちらを選んだとしても、あなたの人生です。