
「上司が手取り足取り
教えてくれる職場で
あればあるほど、
『教えてくれるもの』と
社員は勘違いするようになる。
そんな考えのもとでは、
スキルの習得はとても非効率に
なる。」
(長野慶太 小説家)
「少子化」になってきたせいか、
今時の子どもは家庭や学校で随分と
「手取り足取り」甘やかされているようです。
勉強で分からないところがあっても、塾に通って先生に
「教えられる」のをじっと待ちます。
その結果、大人になっても「誰かが教えてくれる」
のをじっと待つ人が増えていくのです。
これを、揶揄(やゆ)して「指示待ち族」
と称します。
それがまだ20代前半の若者であれば、
「指示待ち族」でもまだかわいげがあります。
でも、中年のいい年したオジさんが「誰かが教えてくれる」
のをじっと待っていても、洒落にもなりません。
マニュアルで伝えられるのは、仕事のスキルの
「表面的な部分」だけです。
その仕事の「本質的な部分」については、
もはや言葉では伝えることが困難で、
自分で「盗み取る」以外に方法はありません。
しかし、彼ら「指示待ち族」の辞書には、
「盗み取る」という言葉は存在しないようです。