
「醜い人とケンカをしては
いけない。
彼らは失うものが何もない
のだから。」
(ウィンストン・グルーム 小説家)
取るに足らぬつまらない人間のことを指す
「鼠輩(そはい)」という言葉があります。
ネズミのようにコソコソしていて、
大した影響力も持たないという意味です。
しかし、一方で「窮鼠(きゅうそ)猫を噛む」
という言葉も存在します。
追い詰められたネズミが猫に噛みつくように、
弱者も追い詰められると強者に刃向かうのです。
だから、「鼠輩(そはい)」を相手にするときには、
断じて追い詰めてはなりません。
必ず、どこかに逃げ道を残しておくべきです。
それは、相手のためではなく、
他ならぬ自分自身の身を守るためです。
何しろ、失うもののない相手は腹が据わって
います。
こちらの息の根を止めるためなら、
どんな汚い手でも辞さない覚悟です。
そんな人間と本気でケンカすることほど、
愚かなことはありません。
だったら、サッサとこちらから折れて
相手に勝ちを譲ることです。
つまらない戦いを避けて負けに甘んじるのは、
決して恥ではありません。