
「いいかい、怖かったら
怖いほど、逆にそこに
飛び込むんだ。」
(岡本太郎 芸術家)
白刃(はくじん)を振るう真剣勝負とは、
とてつもなく怖ろしいものだ、
と経験者は語ります。
何しろ、日本刀の切れ味は世界屈指。
ちょっとかすっただけでも、指が落ちると言います。
だから、怖ろしくて相手の間合いに入ることすら
できないのが普通なのです。
剣道の道歌に、
「切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ、
踏み込み見ればそこは極楽。」
という教えがあります。
相手の刀がギリギリ届くくらいの間合いが、
敵の斬撃(ざんげき)も鋭く一番危ない。
しかし、そこから一歩踏み込めば、
間合いが詰まるのでグッと危険度が下がる、
という意味です。
これは、人生においても同じことが言えます。
目前に迫るトラブルに不安を感じるのは、
それを遠巻きに眺めているから。
自分で勝手に脅威を感じて、
動けなくなっているだけかもしれません。
ウダウダ不安を口にするヒマがあるなら、
そこに飛び込んでみたらいい。
実際にやってみると、意外にたいしたことが
なかったりするものです。