人間(じんかん)万事塞翁が馬

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「生まれ出る喜びがあれば、
また、必ず死する悲しみ
があり、
悲喜はこもども到来する
のである。
昔の塞翁という人は、
この意味をよく知って
善悪禍福に対する心構えを
定めた賢い方であった。
これは、未来に対しても
同じことである。」

 

(北条重時 政治家)

                   

 

昔々、中国の北方の砦(とりで)に、
占いの得意な老人が住んでいました。

ある日、老人が飼っている馬が、
逃げてしまったので、
周りが慰めをいうと、老人は
「これは、吉事の前触れじゃ」
と答えました。

数ヶ月後、逃げた馬が駿馬を連れて
帰ってきたので、周りがお祝いを述べると、
老人は「これは、凶事の前触れじゃ」
と答えました。

その後、老人の息子が駿馬に乗っていると、
落馬して足の骨を折ったので、周りが慰めをいうと、
老人は「これは、吉事の前触れじゃ」と答えました。

はたして、1年後、隣国との争いが起こり、
若者たちは戦いに駆り出され、ことごとく
戦死しましたが、老人の息子は怪我をして
兵役を免除されていたため、無事でした。

老人は、摩訶不思議な占いの力で
未来を予見したのではありません。

「禍福は糾(あざな)える縄の如し」
という自然の摂理に照らせば、
占うまでもなく自明のことなのです。

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