
「愚か者ははるか遠い
ところに幸福を探し求め、
賢い者は足元で幸福を育てる。」
(ジェームズ・オッペンハイム 詩人)
隣の家の芝生が青々として、美しく見えるのは
離れた場所から見ているからです。
近づいてみれば、何のことはありません。
枯れかかった芝がところどころに混じっていて、
あまりきれいとは思えません。
つまり、「隣の芝生は青い」のではなく、
「隣の芝生は青く見える」だけなのです。
本当に賢い者は、「隣の芝生」に
あこがれたりはしません。
「自分の芝生」の青さに気づき、
さらに青々と茂らせるために力を注ぐのです。
日本一美しい山とされる富士山も、実際に登山してみると
赤茶けた石がゴロゴロと転がっているただの山に過ぎません。
人生における幸福も、これと同じ。
どんなにきらびやかな「幸福」も、些末な日常の積み重ねの上に
築かれているのです。
夢から覚めて、「今」に生きることが、
リアルな幸福をつかむための唯一の方法なのです。