
「好きなことだけやって
嫌なことはやらなくていい。
そんな風潮が子どもをおかしく
させている。
我がままで人の痛みが分からない
子どもを育てているのです。」
(曾野綾子 小説家)
社会が成熟して豊かになったことに起因して、
「好きなことをして生きていこう」という
風潮が生まれました。
嫌なことを強制されながら生きていくしかなかった
時代からすれば、まさに隔世の感があります。
しかし、それはともすれば、
「嫌なことはしなくてもよい」
という間違った解釈を生んでしまった
ことも事実です。
なぜなら、物事を「好き」と「嫌い」という側面から
しか見ていないからです。
「為すべき」「為さざるべき」という基軸を
持たなければ、人は放埒(ほうらつ)に流れます。
まして、子どもであれば「易きに流れて」しまうのは
当たり前です。
どんなに「好き」なことでも、「為さざるべき」
であれば、キッパリやめるべきです。
逆に、どんなに「嫌い」なことでも、
「為すべき」であれば、きちんとやるべきです。
そんな当たり前のことをおろそかにしていて、
子どもがまともに育つはずがないではありませんか。