
「相手を説得するために、
正論など持ち出しては
いけない。
相手にどのような利益が
あるかを話すだけでいい。」
(ベンジャミン・フランクリン 政治家)
どんな組織にも、アタマのいい切れ者なのに、
なぜか人望のない人というのがいるものです。
彼らの特徴は、舌鋒(ぜっぽう)鋭く
「正論」で人を追い詰めてしまうことです。
「正論」を言われた側は、
相手が正しいことは百も承知です。
しかし、アタマでは分かっていても、
心で納得することはできません。
むしろ、「正論」で責め立てられるほどに、
反発心を強めていってしまうのです。
なぜなら、人は理屈ではなく感情で
動いてしまう生き物だからです。
かの石田三成は、切れ者として豊臣秀吉に
愛されていましたが、同僚たちからは
忌み嫌われていました。
あまりに、「正論」で
物事を押し通そうとしたからです。
結果、徳川家康と雌雄(しゆう)を決した
関ヶ原の戦いでは、豊臣恩顧(おんこ)の大名たち
までもが家康側につく始末。
結局、天下分け目の大戦(おおいくさ)では、
「正論」は何の役にも立たなかったのです。