
「われ志を得ざるとき、
忍耐この二字を守れり。
われ志を得んとするとき、
大胆不敵この二字を守れり。
われ志を得てのち、
油断大敵この四字を守れり。」
(徳川家康 征夷大将軍)
永遠不変の座右の銘というものは、
この世に存在しません。
その時々の人生の有りように応じて、
座右の銘も変わっていくべきです。
ことわざにも、まったく真逆の内容を示したものが
あります。
性急に事を運ぶことを戒めた「急がば回れ」。
即時行動の大切さを説いた「思い立ったら吉日」。
どちらが正しくて、どちらが間違っているということは
ありません。
ある局面においてはどちらも正しく、
ある局面においてはどちらも間違って
いるのです。
人生におけるマインドセット(心構え)も、
同様に賢く使い分けるべきです。
まだ、実力不足で機も熟していないのに、
大胆不敵に振る舞えば、たちまち強敵に叩きつぶされます。
しかし、成功のための条件がすべて揃っているのに、
慎重さを保っていつまでも動き出さないのは
愚の骨頂というわけです。