
「無からは、
何物も生まれない。」
(アルキメデス 数学者)
「無から有を生む」という言葉があります。
しかし、この言葉はあくまで便宜上の表現であって、
額面通りに受け取ると馬鹿を見ます。
なぜなら、本当に何もないところからは、
何物も生み出されないからです。
日々、何物かを生み出そうと奮闘しているクリエイターたちは、
このことに必ず首肯(しゅこう)するはずです。
とある番組で、ミュージシャンと宇宙飛行士の対談が
放映されました。
その中で、宇宙飛行士が
「すごい才能ですね。何もないところから
こんなすてきなメロディを生み出すなんて。」
とコメントしました。
すると、ミュージシャンはこう返しました。
「私は、幼い頃からありとあらゆるジャンルの
音楽を浴びるように聴いてきました。
その蓄積が土壌にあるので、
そこからメロディが生まれていくだけですよ。」
もちろん、才能の存在は不可欠です。
しかし、才能だけがあれば、毎日ゴロゴロしていても
勝手に創作が生み出されると考えるのは、
とんでもない勘違いです。
本物のクリエイターは、日々鬼のように
勉強して自らの才能を育てています。
「無から有を生む」のは、その副産物に過ぎないのです。