
「些細なことだといって、
一つ妥協したら、将棋倒しに
すべてがこわれてしまう。」
(黒澤明 映画監督)
中国の古典「韓非子」に「蟻の穴から堤も崩れる」
という言葉が出てきます。
これは、「ささいなことでも油断すると、
大きな災いを招くことがある」
という意味です。
実際、盤石な組織が崩壊していく発端(ほったん)は、
ほんの小さなほころびだったりします。
大きな成功を収めても、それが短期的で終わって
しまうのは、小さなことをおろそかにしてきたからです。
長期的な成功者は、ほんの些細なほころびにも
目を光らせて、改善と修正に明け暮れています。
労災における経験則の「ハインリッヒの法則」では、
1つの重大な事故の前に29件の軽微な事故が
存在し、その背景には300件の異常が見つかる
といいます。
つまり、取り返しの付かない事態を防ぐには、
些細なほころびの段階で、いかに食い止めるかに
かかっているのです。
まさに、これこそが「天国と地獄の分かれ道」です。
小さなことの積み重ねが、最終的にはとんでもなく
大きな違いとなって現れるのです。