
「悪は必要である。
もし悪が存在しなければ、
善もまた存在しないこと
になる。
悪こそは善の唯一の存在理由
なのである。」
(アナトール・フランス 詩人)
「世の中の人をすべて幸せにしたい」
と願う社会運動家がいたとします。
しかし、その人の望みは決して叶えられることは
ありません。
なぜなら、幸せとは、不幸せとの対比において
初めて感じることができるからです。
仮に、自分がどんなに幸せな状態にいたとしても、
他に比較できるものがなければ、それが幸せだとは
気づけないものです。
観光旅行だって、たまに行くからこそ楽しいのであって、
観光地に住んでいる人からすれば、ただの日常の風景です。
「いい人」というのも、「悪い人」がいるからこその
存在意義であって、世の中が「いい人」だらけになったら、
何の付加価値もありません。
彼ら「いい人」が、コミュニティで認められ輝いていくためには、
一定数の「悪い人」の存在が不可欠なのです。
何を隠そう「悪い人」がいなくなって一番困るのは、
他ならぬ「いい人」たちなのです。